まるで、熟した林檎のような恋でした。





瞼の裏に蘇る、好きな子の恋する姿。


忘れてしまいたい。

きゅっと瞑ろうとして、ふと想起する。




『……れ、恋愛を、ちょっと、頑張んねぇとって……』


『お互い、頑張らねぇとな』




……そうだ、諦めたくなんかない。


頑張りたい。

頑張るって決めたんだ。



大事な、大事な、初恋なんだ。




『とりあえず、意識してもらえるよう頑張れよ!応援してっから』



諦めるには、まだ早い。


まだ、きみに、意識すらしてもらっていないんだから。





「っ、遥陽!これ頼む!」

「えっ?」


頭より先に、身体が動いていた。


飲み物を強引に預けて、走り出す。



「あ、ちょっ、幸!?」



背後からの静止の声を振り切って、全力で駆けていった。