まるで、熟した林檎のような恋でした。





ようやく逸らせた視線で、遥陽をなぞる。


遥陽の瞳に映る俺は、シュートを外した時以上にみっともなくて、かっこ悪かった。最悪だ。



小佐田がそばにいなくてよかった。

さすがに、こんな姿は見せられない。



「好きな人には、好きな人がいるみたいだ」



そういえば、小佐田に彼氏がいるかどうか、確かめてなかったな。肝心なとこなのに。


小佐田と一緒にいた奴が彼氏だったら……嫌、だな。



ズキリ。

心にヒビが入る。



泣きたいのに泣けないのは、なぜだろう。


2本のペットボトルを持つ手が、無様なくらい震えていた。




片思いを続けても、虚しいだけだとわかった瞬間。


すぐにポイッて捨てて、簡単に新しい恋を始められたら。


どれだけ気楽だったか。




あのシーンは、まるで。

――タチの悪い、悪夢だ。





「……そんなすぐ、諦めらんねぇよ」



きみに好きな人がいるなら、なおさら俺の想いを知ってほしい。俺のことも、意識してほしい。


そう思う俺は、どこかおかしいのか?




きみに焦がれる想いが、痛々しく焦げついた。