まるで、熟した林檎のような恋でした。





誰と一緒にいるんだろう。

土浦か?……いや、違う。


相手は柱の影に隠れて、顔はわからないが、男っぽい体型をしている奴だった。



甘ったるい蜜の匂いが、だんだんと酸っぱく、苦く、枯れていく。



「……え?」



柱の影から伸びた大きな手が、小佐田の頭を優しく撫でた。



瞼を伏せて、微笑む。

きみの頬が、じわりじわり、熟れていく。



「嘘、だろ……?」




『嘘だったら、いいのに』


あぁ、そうだな、遥陽。

全部嘘なら、笑い飛ばせたのにな。




俺もきみに恋をしているから、気づいてしまった。


きみも誰かに恋をしていることに。



一体誰が、きみにそんな表情をさせているんだ。




「……なあ、遥陽。どうしよ」


「幸……?」


「俺も、遥陽と同じかも」


「え?」