まるで、熟した林檎のような恋でした。





行きとは異なり、並んで歩く。


長い廊下を、今度は遅くも速くもないペースでたどる。



「なあ」


「ん?」


「気づいてると思うか?」



未完成な内容の質問に、小首を傾げた。


何が、何に?

考えが顔に出ていたのか、遥陽は続けて話す。



「要が、俺の気持ちに」



横目に射る、端麗な横顔。


傷ついている、というより、憂いているようだった。



「どう、なんだろうな」



碧なら、周りに対してはやけに勘の鋭いから、遥陽の秘密も要の想いも薄々察していたかもしれないけれど。


要は……。



「気づいてそうだし、気づいてなさそうでもある」


「だよな」



遥陽も同意見だったらしく、カラカラと喉を鳴らした。