まるで、熟した林檎のような恋でした。





相談じゃなくたっていい。


ただの愚痴でも、悩みでも、どうでもいい話だっていいんだ。



溜め込んでいるより、吐き出したほうが楽になれる。それをわかってるから、遥陽が先に相談してくれたんだろ?



俺もお前を頼るから、お前も俺をまた気軽に頼ってよ。不器用なりに、支えるから。





「……ねぇじゃん」



足音が、ひとつ、消えた。

合わせて、俺も立ち止まる。



「こんな形で失恋するとか、ダチの彼女になるとか、んなこと、わかるわけねぇじゃん」



後ろを向いてみても、遥陽は俯いていて、今どんな表情をしているのか見えない。


なんで、と形作った唇はなんとか窺えた。



「なんで、なんだよ。なんで……要なんだ。……要じゃなかったら、」



その続きは、声にはならなかった。