まるで、熟した林檎のような恋でした。





要はいつもと変わらず……いや、よくよく見れば、心なしかいつもより朗らかで、声色も顔色も明るい。


けれど、碧みたくデレデレしたり、惚気を吐いたり、浮かれたりはしていない。



ほんのちょっとだけ、大人びた雰囲気を感じた。




「昨日から、新川と付き合うことになったんだ」




そう告げた要は、俺のようにわかりやすく照れることなく、悠々としていた。



……え?

新川って……。



「新川って、同じクラスの?」

「そうそう」

「へぇー、なんか意外~」



碧と要をよそに、恐る恐る遥陽に目をやれば。


チーズバーガーにかぶりつこうとした大きな口をしぼませ、双眼をぐらつかせていた。




要と碧は知らない、遥陽の秘密。



遥陽には、好きな人がいる。


好きな人の名前は――新川。

要の、彼女。