「焼肉弁当に夢中な幸くーん」
……嫌な予感。
わざとらしくくん付けするのは、碧。
「な、なんだよ」
「きみは部活だけじゃなく、あっちも頑張らないとだよねー」
あっという間に焼きそばパンを平らげ、焼きそばのソースのついた口の端を持ち上げる。
食べていたご飯粒を噴き出す寸前で、ごくんっと胃に流した。
あっち、と伏せてもバレバレ。
唐突なのも重なって、より心臓に悪い。
こ、こいつ、絶対面白がってるだろ!この前『応援してっから』って言ったのも嘘だったんだろ!
「あっちってどっち?」
「……こっち」
意味不明と言わんばかりに、要の眉間にシワが増える。
「……れ、恋愛を、ちょっと、頑張んねぇとって……」
別に隠してるわけじゃないし、ぶっちゃけてみた。
……けど、4月に『会いたかった人に会ったんだよ』と打ち明けた時よりもずっと、そわそわして落ち着かない。



