まるで、熟した林檎のような恋でした。





俺も食器を片付け終え、食堂を出ようと出入口に行こうとしたら。



「幸、碧」



後ろから声をかけられた。


俺たちが同時に顔だけ振り返れば、部長が「よっ」と片手を上げて寄ってきた。


「ちわっす」

「……っす」


ぶっきらぼうな碧を横目に、「どうしたんすか」と尋ねる。



「今日の放課後、部活動紹介があるじゃん?」


「あ、はい」


「それに合わせて、いつもより部活開始時間が遅れるってことを、2年の部員に伝えておいてくれないか?」


「わかりました」



部活動紹介、か。懐かしいな。


今年は、何人バスケ部に入るんだろう。




「そういえば……話変わるけどさ」


「何すか?」


「さっき、“イモウト”と話してただろ」


「へ?」


「幸と碧が、イモウトと知り合いだったなんて知らなかったよ」



……イモウトって、あの妹?