まるで、熟した林檎のような恋でした。





まさか目が合うとは想像していなくて、否応なく瞳がゆらゆら泳ぐ。



ど、ど、どうしよう。

どうしたらいいんだ!


何か話しかけるべき?でも、一体何を!?



思考回路はパンク寸前。


また碧にバカにされそうだ……。



どうするのが正解か、どう動けば好感度が上がるのか。


ぐるぐる、ぐるぐる悩み込んでいる間、必然的に沈黙になるわけで。


ポジティブに考えれば、お互いに見つめ合っている状況。



あぁ、もっと器用に立ち回れたら……。

自分自身に嫌気がさす。



だんだん表情筋が引きつっていく。だが、俺が今どんな顔をしているのかは鏡を見なければわからず、もどかしかった。



「ふふっ」



碧と土浦の会話さえ聞こえなくなっていた耳に、小さな笑みがクリアに響いた。