まるで、熟した林檎のような恋でした。





や、やばいやばいやばい……!



こんなところで会えるなんて。

昨日に続いて、今日も会えたなんて。

あっちから見つけてもらえるなんて。


偶然のサプライズに、口元がだらしなく綻んでしまいそうだ。



驚きと喜びで固まっていたら、碧にこっそり「幸」と呼びかけられた。おかげですぐ我に返れた。



「こ、こんにちは」



それでも、急な出来事にうまく対応できず、発することができたのは挨拶だけ。


隣からいやーな視線を感じるが……よし、無視しよう。今はそれどころじゃない。




「りんご、この人たち誰?」



小佐田の横にいる友達が、口を開いた。


あ、この子……。

昨日、転んだ小佐田に手を差し伸べてた子だ。



「ほら、さっき話した、掃除を手伝ってくれた先輩だよ」


「あ、この人が?」



そっか、小佐田も俺と同じように昨日の掃除のことを友達に話したんだ。……そっか!


小佐田にとっても、あの時間がどうでもいいものではないことが嬉しくて、無意識にはにかんでいた。