まるで、熟した林檎のような恋でした。





何だよ、そのリアクション。


なんかすげー腹立つんですけど。



「それじゃあダメじゃん、幸くん」


「くん付けやめろ」


「せっかく好きな子と2人きりだったんだから、もっと積極的にいかねぇと!」



そんなこと、わかってる。

だけど、思うように行動できないんだ。



「大方、ため息が多いのは、どうすればいいかわかんなくなって悩んじまってるからだろ」


その通りです。



もうバレてるとかいう次元じゃない。本物のエスパーだ。碧の観察眼、すごすぎ。



「幸くんはヘタレだねぇ」

「くん付けやめろってば!」


しかも、やっぱり「ヘタレ」って含み笑いされたし。



否定したかったけれど、どう足掻いても事実なので、またため息をつきたくなった。


喉元まで出かかった吐息を、うどんの麺ごと食いつくす。



俺も碧も昼食を食べ終えたところで、「ごちそうさまでした」と手を合わせた。席を立って、食器を片付けに行く。