まるで、熟した林檎のような恋でした。




焦って、わざと遮った。


こいつ、本当は俺が話さなくても、全てお見通しなんじゃねぇの?



「なんでわかるんだよ」


「幸の好きな子なんか1人しかいねぇじゃん。バレバレだっての」



さも当然のように言って、大きな口でカレーを頬張った。


俺が恋を自覚するより前から、察してたってことか!?鋭すぎだろ。……うわー、また恥ずかしくなってきた。




「そんで?」


「そ、それで名前を知って、普通に話せて……う、嬉しかった」


「……で?」


「終わりだけど?」


「は?」



は?、はこっちのセリフだ。


お前は何を期待してたんだ。



「えっ、一緒に帰ったりとかは?」

「してねぇ」


俺だって一緒に帰りたかったけど、できなかった。


「急☆接☆近!的な展開は?」

「ねぇよ」


あったらよかったけどな。



「自己紹介して、会話して……ほんとに終わり?」


「ちゃんと掃除もしたぜ?」


「そうじゃねぇよ」



そういうことじゃねぇんだ……、と碧は額を抑え、ゆっくり頭を横に振った。