まるで、熟した林檎のような恋でした。





「何すか?」


「碧、部長に対して態度が悪……」


「幸、いいんだ。そんなことより、お前ら、私語が多い!朝練だろうと部活中だぞ!」


「す、すんません!」



即座に謝った俺に次いで、「さっせ」と雑な謝罪が続く。


やや不機嫌そうに顔をしかめる碧に、部長は困ったように眉尻を下げた。



そういえば、いつもこんな感じだった気がする。

入部した時から、部長に対してだけ、碧は態度がすこぶる悪くなる。


まるで、野良猫が人に懐かずに威嚇しているみたいに。



どうしてなんだろう。




部長が去っていくと、逆に碧が近づいてきた。



「あとで詳しく教えろよ」



コソッと耳打ちし、ニヤリと笑う。



お前はどうしても聞きたいわけね。しょうがねぇな。


俺はため息混じりに頷いた。



「まーたため息」

「あ」