まるで、熟した林檎のような恋でした。





視線を一度、手元に落とす。それから、また、目の前に視線を移す。


碧は、イヒヒと不適に笑っていた。



「図星だろ、ずーぼーしー」


「わざとムカつかせてるだ、ろっ!」



語尾と同じタイミングでボールを投げる。投げ方が少し荒かったにも拘らず、余裕でキャッチされた。くっそー。



「ため息つきすぎてるお前が悪いんだ、よっ!」


「っ、いってー」


「はっはー!仕返しだ!」



返ってきたボールの衝撃が、手にジンジン広がっていく。


俺がわざと強めに投げたのバレてたか……。



またため息を吐きかけて、グッと飲み込んだ。




緩急をつけながら、数回パスを繰り返していると。



「で?」

「で、って何?」


「そのため息は、何のため息なわけ?」



ボールと共に、何気ない質問もやってきた。