まるで、熟した林檎のような恋でした。







俗にいう「一目惚れ」というやつから急速的に肥大化し、暴れ馬のように募り募っていた感情。


その名前に気づけた、翌日。





朝、HRが始まる前。

太陽の光に塗れた体育館で、バスケ部の朝練。


昨日は体育館の点検もあって、放課後だけじゃなくついでに朝練もなかった。今日からは、通常運転。睡魔に負けず、練習する。




「……はぁ、」


「はーい、これで5回目~」


「……あ」



碧とパス連をしていたら、ゆるーく指摘された。


朝練が始まってからため息を吐いた数を。



「やべ」



反射的に口を片手で覆えば、正面からボールが飛んできた。


反応が遅れて、ボールを取り損ねる。



うわ、こっちもやべ。



「ほーら。ため息ばっかついてっから、ミスすんだよ」


「うっせ」



覇気のない睨みを利かせながら、ボールを取る。両手で挟んで、クルクル回してみる。