まるで、熟した林檎のような恋でした。





1人になった体育館に、しゃがみこむ。



「せっかくのチャンスだったのに……」



自分からダメにするなんて。

俺自身もダメダメじゃん。


さっきため息をつきすぎたのが原因?じゃあやっぱり、「ため息をつくと幸せが逃げる」っていう迷信は、どんなため息だろうと当たるようにできているのか?……いやいや、考えすぎ、だよな?



俺の頑張り次第で、2人の時間が長くなったかもしれない。


その可能性に打ちひしがれ、項垂れる。



だけど、小佐田とは同じ学校の先輩後輩なんだ。


一方的に探すだけだった今までよりは、わずかにだが、距離が近くなった。


それだけで、曇っていた気分が晴れやかになる。




たった数回会っただけのきみに、ここまで必死になるのは、きっと。



「……そういうこと、だよな?」



初めてだから、本当にそうかはわからない。

けれど、自覚がなかったわけじゃない。


むしろ、心のどこかで、そうであってほしいと縋っていた。



誰が認めるのか、決めるのか、知らないが。


3回目にしてちゃんとした会話を交えた今日、自分の中でやっと確信を持てた。





この想いを、こう呼んでもいいだろうか。


――恋、と。