まるで、熟した林檎のような恋でした。





これはもう、失敗だったって解釈していいんだよな?……はあ、ショック。なけなしの勇気がボロボロになって返却されちまった。


やっぱり遠回りしすぎたな。もう少しわかりやすく言えばよかった。俺のばっきゃろー!



「そ、っか。なら、よかった。……えっと……みぃちゃ……じゃなくて宮根先生には俺から報告しておくよ」


「ありがとうございます」


「うん、じゃあ……ま、ま……じゃ、じゃあな」



話すの下手くそか、俺は!!


いくらなんでも緊張しすぎだろ。かみっかみじゃねぇか。



しかも、「またね」すら言えず「じゃあな」に変えたとか……ダサすぎ。



「はい、さよなら。本当にありがとうございました」



内心落ち込んでいる俺を知る由もなく、小佐田は今日一番輝いた笑顔を浮かべた。


ドキッ!

胸の奥を突かれ、赤面してしまう。




カバンを肩にかけ、俺に背を向ける。


遠ざかる姿が、去年の文化祭を想起させた。


紅潮が引いていく。手を伸ばして引き留めようとしたが、それすらも弱々しく引いた。なんて情けないんだろう。