まるで、熟した林檎のような恋でした。






埃と砂まみれの床を掃き、空気を入れ替え、綺麗にしていく。


小佐田にとっては初対面であろう俺との共同作業は、やりづらかったはずなのに、スムーズに掃除できた。



それでも、さすがに2人じゃすぐには終わらなかった。


できるだけ早く、それでいて満足いくまで掃除し終えたのは、始めてから1時間以上も過ぎた頃だった。




「やっと終わりましたね」


「ああ、大変だったな」



マスクが外れた横顔を、視界の隅に捉える。


今度はすぐに視線が絡まった。



「お疲れ様です」


「お、お疲れ」



瑞々しい笑顔に、つい言葉が詰まった。



2人きりの時間が終わってしまった。

後半はあっという間だったように感じる。


次はいつ会えるだろう。また2人で会えるチャンスが訪れるだろうか。