まるで、熟した林檎のような恋でした。





ホウキを杖代わりに体重をかけながら、肺の底から息を吐く。


そのため息には、ピンク色のオーラが帯びていた。



「ほんと、何なんだよ……」



神様が俺を弄んでるわけじゃねぇよな?


こんな漫画みたいな偶然、本当にあるのか?

偶然じゃなかったら一体何?必然?運命?……って、きしょいわ、俺!運命って、何だそれ!乙女かよ!




会いたかった人と、いきなりの急展開。


俺にとっては、もう事件だ事件。



あの子……小佐田と再会できて幸せだ……けど。


正直きつい。



小佐田に会う度

小佐田と目が合う度

小佐田に声をかけられる度


何かを伝えたいように、心臓がこれでもかってくらい弾んでいくんだ。



それが……きつい。



苦しさ、切なさ、嬉しさ、愛しさ。

重なり合わない感情が、同時に流れ込んで、ひしめき合う。



「……胸が、」

痛い。


でも、それすら、嫌いになれない。