まるで、熟した林檎のような恋でした。





「早く帰りたいですし、さっさと掃除を終わらせちゃいましょ?」


「そ、そうだな」



俺は本当は、まだ、帰りたくない。

この時間が続けばいいのに、ってバカげたことを望んでる。掃除なんかしたくないけれど、それでも……。



本心をぐっと呑み込んで、また小佐田を一瞥した。


あぁ、星よりも眩しく見えるのは、なぜだろう。




会ったのは、これで3回目。


しかも、そのうちの2回は、まともな会話すらない。



たったそれだけ。

なのに、もう既に引き込まれていく。惹かれていく。



俺の意思も感情も関係なしに、きみのことが気になって仕方ない。



あの出会いは偶然だったのか、なんてことを考えてしまうくらいには、この想いに酔いしれている。





「じゃあ、ゴミ出してきますね」


「おう、頼んだ」



用具室を出て行く小佐田の背中を、ひたすらに眺めている自分に驚く。


無意識だった。気づいたら見ていた。



高鳴る心音が、用具室全体に響いているようで、制服越しに鷲掴んだ。



「はあ~~」

俺は変態か。