りんごちゃんにばかり頼ってないで、俺も行動しねぇと!このままじゃ、全然彼氏っぽくねぇ!彼氏らしさをもっとアピールしたい!


目指せ、ヘタレ返上!




ちっぽけにしぼんだ勇気を再利用して、今度こそ自分から指を絡めた。


いわゆる、恋人繋ぎってやつ。



動きがぎこちないのは、もうしょうがない。不器用ってことで、見逃してくれ。



「この繋ぎ方は……嫌、か?」



自信なさげに問いかけたら、すぐさま首を横に振ってくれた。



「嫌じゃ、ないです」



俺もりんごちゃんも緊張してるせいか、手のひらが汗ばんできた。


それでも、どちらも離そうとはしなかった。


むしろ、指先に力を込めて、離れたくないと言わんばかりに強く握りしめている。




甘い香りを纏いながら、白かった頬を赤く色づけていくりんごちゃんが、何よりも愛しくて。



「好きだよ」



小さく、小さく、囁いた。



あぁ、熱い。


多分、俺の顔も、真っ赤だ。



でも、それでいい。

それがいい。


お揃いの赤色は、「好き」の色。




この想いは、きっと。


ふたつで、ひとつ。



熟した林檎のような恋だから。





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