……えっ、あれ?
いきなり右手に温もりを感じた。
もしかして。
ちらりと下のほうを一瞥すれば、案の定俺の右手とりんごちゃんの左手が重なっている。
下から横へ、眼をなぞらせる。
りんごちゃんも俺を見つめていた。
「じ、実は、私も、手を繋ぎたかったんです」
照れ臭そうに、空いてる右手の人差し指に天パの髪を巻き付けた。
好きな子の隣にいると、いつだって心臓は大忙し。
休む暇なんかない。
今だって、ほら。
こんなに高鳴ってる。
手のひらから、鼓動の速度が伝わってしまいそうなくらい。
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