まるで、熟した林檎のような恋でした。





あぁ、俺、ひっでぇ顔してるなぁ。


これは、わかりやすい。

皆に感情がバレるわけだ。



嬉しくて、泣きたくて、どうしようもない顔。




「終わりになんか、しないでください。諦めたりしないでください」



泣きじゃくりながら、カーディガンの袖で涙を拭っていた。


いくら拭っても、涙は次から次へと流れてくる。



「もっと、振り回してください。もっと、迷惑をかけてください」



熱が、回る。


視界がボヤけ出したのも、全部、熱のせいだ。



「わがままだって、わかってます。だけど、私は、これからも更科先輩と一緒にいたいです」



染まる赤に、さらに赤を付け足して、深い赤にする。

濃厚な、林檎色。


しょっぱい涙だって、この甘美さには敵わない。