まるで、熟した林檎のような恋でした。





あっ、幻覚か?

試しに目をこすってみたが、やはり変わらない。



背後には、なぜか、息を切らしたりんごちゃんがいた。



ど、ど、どうなってんだ!?

いつの間に後ろにいた!?



「ずっと呼んでたぜ?」


「まじか!!」



俺の考えを察して、要がため息混じりに教えてくれた。


じゃあ、さっきの幻聴は、幻聴じゃなくて本物だったってことか!?

気づかなかった……。




「んじゃー、俺ら先に行くな」


「お、おう」


「あとで何があったか聞かせろよ~」



ニヤニヤしている碧を、遥陽が黙らしてくれた。


そして、3人は一足早く、教室に移動した。気を利かせてくれたんだろう。





長い廊下に、2人きり。

俺とりんごちゃんが、残された。



昼休みもあとわずか。


騒がしかったはずの廊下は、徐々に森閑さを取り戻しつつある。