まるで、熟した林檎のような恋でした。






「幸は今、何したい?」


「……会いたい」



するっとあっけなく溢れた本心に、遥陽は呆れたように眉尻を下げた。




会いたい。


1秒に満たなくてもいい。

甘くなくたっていい。



きみに、会いたい。




嘘だとしても、無理に終わらせたことを、後悔はしていない。



……でも。

本当に諦めることができる日まで。


迷惑がかからない程度に、陰からひっそり想い続けることは、許されるだろうか。






「――あっ、いた!」



ふわり。

覚えのある、蜜の香りがした。