まるで、熟した林檎のような恋でした。





昨日も、今日も。


勝手にりんごちゃんを探していて。

会いたいと思ってしまっていて。



未練がましい自分が、バカらしかった。



りんごちゃんの重荷になるくらいなら、と自ら覚悟を決めて、逃げたはずなのに。


逃げても逃げても、逃げ切れない。




「なあ、幸」


「……遥陽?」


「デートが終わった後に言うのは、おかしいかもだけどさ」



諭すように、呟く。

誘われるがまま、横に顔を向かせる。



「踏ん切りをつけるために、はっきり『終わりにする』って言ったって、それは必ずしも諦めることとイコールで繋がんねぇよ」



もしかしたら。


『……諦めることにしたんだな』


遥陽は、そう独白をこぼした時に、言いたかったのかもしれない。



今の俺を見かねて、言わないでおこうとしたことを、ぶつけてくれてるんだろう。