まるで、熟した林檎のような恋でした。






「でも、さ」


遥陽が横目に、俺を捉えた。

あまりに真剣で、ぐっと押し黙る。



「昨日も思ったけど、今のお前はただただ苦しそうだ」



ピキリ、とあからさまな音を立てて、心音が鈍った。


図星だ。



“終わり”を迎えられたら、もっとすっきりすると予想していた。



実際は、むしろ逆。


強引に塞いだ想いは、腐って朽ちることなく、まだまだ育っていく。



好きな子を苦しめたくないからって、自分を苦しめたいわけじゃなかった。




「本当に諦められたのか?」


「……わかんね」



自分でも、わからねぇんだ。

どうしたら、ちゃんと諦めたことになるのか。


誰か、教えてくれよ。