まるで、熟した林檎のような恋でした。






碧からもらったシュークリームを平らげ、屋上をあとにした。


甘ったるいカスタードクリームが、口の中に残ってる。



重厚な扉が、日差しを絶った。





階段を下りて、教室を目指す。


ざわつく廊下。

前に碧と要が、後ろに俺と遥陽が歩いていく。




「そういえば、遥陽、さっき何か言いかけてなかったか?」



ふと思い出して、何気なく尋ねる。



遥陽は「あー……うん」と歯切れ悪く答え、一度口の端をきつめに引き結んだ。

上唇と下唇に、ほんの少しの隙間を作る。そこから浅く、息を吸い込んだ。




「俺、さ」


「うん?」


「幸にいっつも励まされてた」