まるで、熟した林檎のような恋でした。





顔を見れば、わかる。

彼女さんへの気持ちが。


本気で好きなんだな。




『今の幸を見てると、昔の自分を思い出して応援したくなるんだよ』



今やっと、あの言葉の真意を汲み取れた気がする。




「な?失恋しても、悪いことばっかじゃねぇだろ?」


「そうだな」



俺の分までテンションが高いんじゃないかってくらい、屈託のない笑顔を見ていたら、こっちまで元気になってくる。




初恋が破れて、失恋した。

それで、人生が終わったわけじゃない。


俺にもいつか、碧みたいに別の恋をして、今度こそ両思いになるのかな。




目を閉じて、想像してみる。


瞼の裏側に刻まれるのは、初恋の記憶ばかり。



別の恋なんか、イメージできっこなかった。