まるで、熟した林檎のような恋でした。





心内で必死に言い訳を並べていく。


プシュー、と効果音でもつきそうなくらい、顎のほうからどんどん真っ赤になっていった。



「ふーん、いい匂いねぇ……」



断じて、変態じゃないよ!

心の中だけじゃなく、声に出して言い訳しようとしたら。



「ねぇ、知ってる?」



麻莉ちゃんがニヤリと妖艶に口角を上げた。


な、何を?



「いい匂いがする人って、自分が本能的に好きな人なんだってさ」



急な豆知識に、反応が遅れてしまう。



本能的に好きな人……?



『りんごちゃん』



私の名前を愛おしそうに呼んで、笑う。

更科先輩が、脳裏を巡った。




「いろんな意味で、答えは出てるんじゃない?」



軽く小首を傾げた麻莉ちゃんに、知らぬうちに頭を縦に振っていた。


……うん、そうだね。



「ありがと、麻莉ちゃん」

「ふふっ、どういたしまして!」