まるで、熟した林檎のような恋でした。





更科先輩と一緒に過ごす時間は、楽しいけどそわそわして、苦しいけど落ち着く。


世くんのそばにいる時間よりも、甘酸っぱくて、優しくて。



ずっと寄り添って、すがりつきたくなる。




「さ、更科先輩といる時の私って、麻莉ちゃんからはどんな風に見えてるの?」



おずおずと聞けば、麻莉ちゃんは「んー」と唇の下に手を添えた。



「言葉で説明するのは難しいけど……とにかく可愛い!」


「か、可愛い?」


「うん!それに、すごく幸せそう」



可愛い。幸せそう。

どっちも、自分では感じたことがない。


それ、友達フィルターがかかってたりしないよね?




「そういうりんごは、どうなの?更科先輩といる時、どんな気持ちになる?」


「……恥ずかしくなる。だけど、心地よくて、もっと照れちゃう」



それに。

思い出す、あの蜜の香り。



「それに……たまにね、更科先輩からいい匂いがするの。甘い匂い。その匂いが好きで……」



って、これじゃあ変態みたいじゃない!?


べ、べ、別に自分から嗅いでるわけじゃないから!風に流れて香ってくるだけだから!