まるで、熟した林檎のような恋でした。





自然と見渡してしまっていた。

更科先輩がいないか。



昨日の今日で、顔を合わせづらいのに。


会いたくて、会いたくなくて。


それでも、なんとなく探してしまう。




「どうしたの?」



真顔で問い詰められた。


意味不明な本音に恥ずかしくなって、咄嗟にごまかす。



「え、えっと……きょ、今日は麻莉ちゃん、芹沢先輩を探してなかったから、代わりに私が探そうと思って……」



取って付けたような、無理のある嘘。


さ、さすがに騙されないよね……。



挙動不審な私に、麻莉ちゃんは頬杖をつきながらため息をついた。



「それなら、もう探さなくていいよ」


「え?」