まるで、熟した林檎のような恋でした。





せっかく、今日は晴れたのに。

あの空をどんより陰らせて、台無しにしてしまった気分に陥る。



夕焼けが、嘲笑うように、心を刺す。


痛くて、痛くすぎて、嗚咽すらこぼれない。




「最後にいい思い出ができて、嬉しかった」



待って。お願い、待ってよ。


ごめん?ありがとう?

最後って何?



その言い方じゃ、まるで……。



「本当に、ありがとな」


「さ、らしな、せんぱ……?」


「でも、これからは振り回したり、迷惑かけたりしねぇから、安心してくれ」


「……え?」



力の入らない唇を、なんとか動かす。


あからさまにうろたえることすらできなくて、赤みの消えた顔はきっと白く張りつめているに違いない。



更科先輩は、一度目を瞑った。



「もう、終わりにするから」