まるで、熟した林檎のような恋でした。





無意識に、正面を凝視していた。


不意に、目と目が重なる。



高鳴る心音につられて、逸らそうとした。



が。



「好きだよ」



甘いはずの囁きが、やけに苦くて。


引きつけられてるみたいに、逸らせなかった。




『好きだ』



初めの告白とは、全然違う。


なんて淡く、儚い響きなんだろう。




ねぇ、更科先輩。


なんで、泣きそうなんですか。

なんで、辛そうなんですか。




「わ、私……」



なんで、私は。

ごめんなさい、とはっきり振ることができないの。