「デート、つまんなかった?」
ズキズキ、胸を締め付けられる。
憂いだらけのそんな声を出させているのは、紛れもなく、私だ。
私の態度で、更科先輩が悲しんでる。
それがどうしようもなく嫌で、咄嗟に口を開いていた。
「そんなこと、ないです!」
上へ上へ、視線をずらしていく。
更科先輩の表情が、ひどく切なげで。
息が苦しくなる。
「つまんないなんて、1ミリも思ってません。すごく、すごく、楽しかったです!」
デートするのは初めてで、緊張していた。
だけど、更科先輩が優しく接してくれる度、緊張は解けていって、無邪気にはしゃいでいた。