まるで、熟した林檎のような恋でした。






「ねぇねぇ、これいっしょによもう?」

「うんっ!よみたい!」


不意に、幼い声色が耳を通り抜けた。



俺とりんごちゃんは、ほぼ同時に、声のした方向に振り向く。



そばにあるベンチに、小さな子どもが2人、仲良く座っていた。


2人の間には、1冊の絵本があった。



こちら側に向いている絵本の表紙に、目が留まる。



あっ。

あれ、知ってる。



「あの絵本……」



隣から聞こえてきたのは、やや弾んだ独り言。


その反応……もしかして。



「りんごちゃんも、知ってるのか?」


「『も』ってことは、更科先輩もですか?」



肯定の返答をすれば、びっくりされた。