おにぎりを1つ、食べた。
あ、酸っぱい。中身は梅干しだった。
これなら何個でも食べられる気さえしてくる。
「すごく美味しいよ」
ボキャブラリーのない俺には、それしか言えない。
だからこそ、幾度となく伝えた。
もう、本当に。
どうしてくれるんだ。
このデートで“終わり”なのに。
今日1日分だけで「好き」が溢れ返って、ぶくぶく膨らんでしまったじゃないか。
きみは、俺をトリコにするのが、うますぎる。
どうしたら、全部、なかったことにできるんだろう。
いくら術を探したって、見当たらない。
無理やり自分を騙すしか、見当つかない。



