まるで、熟した林檎のような恋でした。






「あ、あのさ、この近くに花畑のある大きな公園があるんだ。そこに行かないか?」


「行きたいですっ」



食いつきがいい。よっしゃ。

心の中でガッツポーズ。


たくさん調べてよかった。



どちらも身体の熱が冷めやらぬまま、早速その公園を目指す。



「あ、そのバック、持つよ」


「え、いいですよ!自分で持てます!」


「遠慮すんなって」



駅を離れながら、りんごちゃんの手からトートバッグを受け取る。


お、意外と重い。



「ありがとうございます」



重そうな荷物を女子が持っていたら、助けてやるのが、俺にとっての普通。


小さなことにまでお礼を言うのが、りんごちゃんにとっての普通。



礼儀正しくて、真面目で。

知れば知るほど、どんどんりんごちゃんが好きになる。



「どういたしまして」




恋に落ちた瞬間から、あっさり引き戻せなくなるくらい、想いが天高く積もっていく。


今もまた、ポトリ、音がする。




それが、余計、もどかしい。