まるで、熟した林檎のような恋でした。





身を縮こまらせて、スカートをきゅっと握る。



「だ、ダメじゃ、ないです」



弱く、高く、上ずった声音。

心臓が跳ねあがる。



「なんでもする、って言ったのは私のほうですし。……ダメなんかじゃ、ないですよ」



やや下を向いたかと思えば、上目遣いされて、俺まで赤面してしまう。


りんごちゃんが可愛すぎて、こっちの身がもたない。




「ありがとな、りんごちゃん」



か細い呟きは、ひどく切なく、雨音にかき消された。




「じゃあ、日曜日、10時に駅で待ち合わせな」


「は、はい!」



ぎこちなく頬をほろこばせる。


名残惜しいが、軽く手を振って別れた。




廊下を歩きながら、窓の外を眺める。



どうか、どうか。

日曜日は、晴れますように。