まるで、熟した林檎のような恋でした。







そもそも熱が下がっていなかったら?学校に来てなかったら?元も子もなくね?

ネガティブ思考が止まらない。


熱、治ってたらいいな……。




そうこうしているうちに、着いてしまった。


1年の教室しかない階だから、すっごく目立ってる。俺、浮いてる。早く帰りたい。




1年8組のプレートがかかった、教室の前。


念入りに深呼吸をして……よし、開けるぞ!



扉に手をかけようとしたら。


ガラッ、と内側から先に開かれてしまった。



「わっ、ご、ごめんなさ……」



室内から出てきた女子が、俺にぶつかりかけて、慌てて足を止めた。


一段とくるんくるんした明るい茶色の髪に、視線が留まる。



目が合って、どちらとも固まった。



「さ、更科先輩!?」


「りんごちゃん!?」



なんだ。何なんだ、この偶然は!

喜びたいけど、正直テンパっちゃって、そんな余裕ねぇっつーの!