まるで、熟した林檎のような恋でした。








キーンコーンカーンコーン。

午前の授業が終わった。



昼休みになってすぐ、席を立つ。



「んじゃ、行ってくる!」



「おう!頑張れよ!」

「断られても泣くなよ~」

「幸なら大丈夫だ」



要、碧、遥陽の順にかけられた声に、勇気をもらう。


圧迫する胸を抑えながら、教室をあとにした。



向かう先は、りんごちゃんのクラスである、1年8組の教室。


昼食を食べる前に、さっさとデートに誘ってしまおうという魂胆だ。





廊下を歩いていく俺とは逆方向から、ある女子生徒が俺のクラスである、2年3組の教室へ行く。


扉を開けて、告げた。



「失礼します。芹沢先輩はいますか」


「はーい、いますよー……って、土浦ちゃんじゃん。どうしたん?」




ある女子生徒――土浦が、碧を呼び出したことを、俺は露ほども知らない。