まるで、熟した林檎のような恋でした。





恋愛というものは、不安定で、意地悪だ。


一方通行なほど、喜怒哀楽がごっちゃになって、複雑になる。



諦めるのも、諦めないのも。

どっちにも勇気が要るように。


片思いはどう足掻いたって、ずっと甘くは続かないようにできている。



「幸もかっこいいよ」

「ははっ、あんがと」



「なんでそこ褒め合ってんの?」



急に会話に割り込んできた碧を、適当にあしらう。



「あっ、そうだ。なあ、幸!」


「デートに行く場所、ここはどう!?」


「ここって?」



碧と要が、前のめりになって、俺に勧めてきた。


いつの間にか、映画の話題から本来の議題に戻っていたらしい。




行き先が決定したところで、タイミングよく、みぃちゃんが前方の扉を開けた。