まるで、熟した林檎のような恋でした。






……やっぱ、ぶっちゃけてみてよかった。


おかげで覚悟ができた。



「だから、俺、デートに誘うよ」


「へ?デート?」



素っ頓狂な反応の碧に、空元気の笑顔を浮かべる。



「諦めるために、最後の思い出としてデートに誘ってみる」




最後の思い出。

最後の、わがまま。



これで、もう、終わりにしよう。


嫌だけど……嫌で嫌でたまらないけれど。



好きな子を苦しめるくらいなら。


最後の最後まで頑張って。



それから、自分でエンドマークを打ってしまおう。




逃げてる、と言われればそうなのかもしれない。


それでも、俺は、そうしたい。

いっそ逃げたい。



――初恋は叶わない。


その言葉にふさわしく、散りたいんだ。