まるで、熟した林檎のような恋でした。





考えたことがないわけじゃない。


迷惑かもしれない。

そう、できるだけ考えないようにしてただけだ。




『更科先輩とお喋りする時間は、すごく楽しくて、落ち着くんです。世くんといる時よりも』



あのうわ言が、たとえりんごちゃんの本心であっても。


部長が駆けつけた時に浮かべた、あの柔らかな表情が真実を物語っている。




「俺が幸せでも、好きな子が幸せじゃなくちゃ意味がないんだ」



ひゅ~、と口笛を吹く碧。

おぉ、かっけー!、と拍手する要。


「茶化すな」


2人の頭をポカッと叩いて、俺に続きを促した遥陽と、ため息混じりに顔を見合わせた。




「……これ以上、好きな子の重荷になりたくねぇ」




告白した時、諦めたくなくて、自己満足でもいいから伝えた。


あれが“始まり”なら、きっと“終わり”も自分次第。