わざと上から目線な態度を取りやがって。

素直に「心配だ」って言えよ。



だけど、それはブーメランだ。


俺も、素直に「ありがとな」なんて言えなくて。



「碧に『うっざい』って言われたらおしまいだな。気をつけねぇと」


「おい、ひでーな!」



これが照れ隠しだって、お互いに見抜いているんだろう。




今はもう、楽しければなんでもいい、と手放しでは思えないけれど。


やっぱり、4人の関係は、好きだ。



俺は友達に恵まれてるな。




ようやく、ネクタイを綺麗に結べた。

今までで一番の出来だった。



隣の奴は、ささっと素早く、ネクタイを結んでいた。


俺が何度も失敗して苦労したことを、あんな簡単に……。



「ん?何ー?」


「不器用の敵だ!!」


「はあ?」



不器用なせいで想像通り動けない。


ネクタイだけじゃない。恋だってそうだ。



俺だって、器用な人間に生まれたかった。