きみは、ずるい。
きみは今も苦しんでいるのに、さらに俺を好きにさせる。
どうせなら、きみ以上に苦しめてくれれば、自惚れずに済んだだろうに。
突然、荒々しく扉が開いた。
「りんご!」
「部長……」
「幸、りんごは!?」
「あ、あそこのベッドに……」
俺の話を最後まで聞かず、部長はりんごちゃんの寝ているベッドに駆け寄った。
部長に続き、土浦も保健室に踏み入れる。
部長の取り乱した声で、りんごちゃんはまた目を覚ました。
「……せ、いく、ん……?」
「りんご、体調はどうだ?辛いか?」
部長は心配そうに、頬を撫でる。
ふにゃり、とりんごちゃんの表情が柔らかくなった。
「辛くないよ。平気だよ」
チクリ。
心臓に、トゲが突き刺さった。



