まるで、熟した林檎のような恋でした。






「土浦は、部長にこのこと知らせてくれるか?」


「……え?」


「俺はりんごちゃんを保健室に運ぶから」


「っ、はい!わかりました!」



土浦は、目尻に溜まった涙を拭って、冷静さをなんとか取り戻した。

指示通り、部長のところへ駆けていく。



俺も早く連れて行こう。



りんごちゃんの体に障らないよう、優しく腕を回して、持ち上げる。


俗にいう、「お姫様抱っこ」という持ち方で。





「気づくのが遅くなって、ごめんな」



眠るきみには、きっと聞こえない。


そうと知ってて、もう一度囁いた。




ズキズキ痛む俺の心より、よっぽど辛いだろう。



俺が代わってやれたらいいのに。


きみの熱を、全部俺がもらえたら、この後悔も散ってくれるだろうか。