どうして、気づかなかったんだろう。
違和感は抱いていたのに。
俺は、バカだ。
2階の通路に着き、ざわついている中央に急ぐ。
そこには、倒れたりんごちゃんを心配する土浦がいた。
「りんごちゃん……!」
近寄れば、りんごちゃんの顔の赤みがより深く際立っているのがわかった。
意識はない。息苦しそうに、肩で呼吸している。
額に手を当ててみる。
手のひらに、じんわりと帯びたのは、火傷しそうなくらい熱い体温。
やっぱり、熱があったんだ。
「さ、更科先輩……どうしよう、りんごが……っ」
涙ぐむ土浦に、グッと拳を握り締めた。
後悔して、動揺してる場合じゃない。
しっかりしなくちゃ。



