まるで、熟した林檎のような恋でした。






相手チームは即座に、部長のマークに2人つかせ、対応する。


そのため、1人、フリーになる。

それが、俺。



自由な今のうちに、3ポイントラインの3歩手前、ゴールの正面に移動した。



「部長!」



第2クォーターが終わるまで、あとわずか。


両手から押し出されたパスを、確実にキャッチする。



頭の中を、空っぽにして。

集中力を研ぎ澄ませた。



おもむろに腕を上げ、ボールを掲げる。


心音のリズムに沿って、軽やかに放った。



大丈夫。


今回は誰の邪魔も入ってないし、スピンも角度もいい。


必ず、決まる。




美しい弧を描いたボールは、シュッ、とネットをくぐった。


鳴り渡る、第2クォーター終了の合図。



こちらに3点加わり、逆転だ。