まるで、熟した林檎のような恋でした。






点数が均衡した状況のまま、第1クォーターも後半に差し掛かった。


今は、同点。

次シュートが決まったら、逆転だ。




チームが認める3ポイントシューターである碧を、部長の次に警戒しているらしい。


現に、マークが2人もついている。



碧、やりづらそうだな。




「ぶ、ちょー!」



ここで、この試合初めて、碧から部長へのパスが出された。



今までと比べたら、クオリティーは上がっている。だが、本来のプレーにはほど遠い。


苦手意識がまだ残ってるんだ。すぐに失くせないのは、当たり前だ。



碧をマークしていた1人に、パスをカットされ、カウンターを仕掛けられる。




「……っ、くっそ!」



本気で悔しがる姿を、部長が喜ばしそうに一見していた。

そのことを誰も知る由もない。